Japanische Klassiker mit Furigana
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げっせかいばっしょうき
月世界跋渉記
江見 水蔭
Lesen Sie 月世界跋渉記 (げっせかいばっしょうき) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.132 Zeichen · 19 Bildschirme
晴次はますます驚いていると、助手が、
「貴方何も心配なさる事はありません。空気のない処じゃ羽根のようなもんです。いくら高い処から飛んだって平気なんです。」
「さあ一緒に降りましょう。」
と晴次の手を取って否がる奴を無理に谷底見蒐けて飛び込んだ。
「もう駄目だ。死んで了うんだ。」
と思って晴次は眼を閉じたが、どうも千仭の谷底へ落ちているとは思われない。まるで風船にでも乗って下っているよう。フワフワとして気持のよさったらない。
不思議に思って眼をあけると、不思議※ 不思議※ 助手が教えてくれたように、春風に鳥の毛が散っているくらいの速力で、そろそろと下降しているのだ。
「これは面白い。」
と横を見るとほかの連中も莞爾莞爾して同じく気持のよさそうにキョロキョロ四辺を眺めながら降っている。
次第次第に地が見え出すと、下には博士と光雄が笑いながら、三人の飛び降りるのを見上げて待っている。
やがて地に着くと、粉微塵になると思ったのが大違い、花火の風船玉が落ちたくらいに音もせず一同無事にそこに立った。
互にその不思議な現象を笑いながら、なおも人々と進んで行くと、また大きな平原=否海原に出た。