Japanische Klassiker mit Furigana
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つきよとめがね
月夜と眼鏡
小川 未明
Lesen Sie 月夜と眼鏡 (つきよとめがね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.679 Zeichen · 8 Bildschirme
「私は、おまえさんを知らないが、だれですか?」と、おばあさんはいいました。
おばあさんは、見知らない男の顔を見て、この人はどこか家をまちがえてたずねてきたのではないかと思いました。
「私は、眼鏡売りです。いろいろな眼鏡をたくさん持っています。この町へは、はじめてですが、じつに気持ちのいいきれいな町です。今夜は月がいいから、こうして売って歩くのです。」と、その男はいいました。
おばあさんは、目がかすんでよく針のめどに、糸が通らないで困っていたやさきでありましたから、
「私の目に合うような、よく見える眼鏡はありますかい。」と、おばあさんはたずねました。
男は手にぶらさげていた箱のふたを開きました。そして、その中から、おばあさんに向くような眼鏡をよっていましたが、やがて、一つのべっこうぶちの大きな眼鏡を取り出して、これを窓から顔を出したおばあさんの手に渡しました。
「これなら、なんでもよく見えること請け合いです。」と、男はいいました。
窓の下の男が立っている足もとの地面には、白や、紅や、青や、いろいろの草花が、月の光を受けてくろずんで咲いて、香っていました。