Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼうがくととうきょう
望岳都東京
木暮 理太郎
Lesen Sie 望岳都東京 (ぼうがくととうきょう) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.243 Zeichen · 61 Bildschirme
矢張り皺迄よく見えて、北西の風が宝永山の上の七、八合目辺りに雪の渦巻を幾つも捲き起しているのが肉眼にも見えるような日でないと充分とはいえないのであります。私は之を遠山望見の鉄則として固く守っている積りでありますけれども、ついお天気が好いとそれにつられて、外のことは考えずに泡食って家を飛び出しても、山は一つも見えない。矢張り自分がきめた鉄則通りだと後悔して帰った事が何度かあるのですが、それでもどうも晴れて居ると落着いて居られない。出かけて行って富士山をのぞいて、先ずこれ位ならば大丈夫だろうと赤羽へ出掛けます。元は池袋でも秩父あたりはよく見えましたけれども、池袋や十条辺りは今では家が建てこんで山は見えませぬ。電車の中からも見えない。それでどんな工合だろうと電車の中で想像しながら赤羽へ降りて、左手のあの高い崖の上へ登るのです。あすこで見えなければおしまいで、もう袋町の台へ行く必要はありません。筑波山を見て山の色が朗らかでないようなら勿論駄目です。其の代りぴたりと条件に叶っている日に出かけて山が見えると、飯時などはすっかり忘れて、土手へ腰を卸したまま時の経つのも知らずに双眼鏡を覗いていると、あそこには火薬庫がありまして、土手の上を往来して見張っている番兵が怪しんで、何時か土手から降りて来て「何をして居るのか」