Japanische Klassiker mit Furigana
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あさやけ
朝やけ
豊島 与志雄
Lesen Sie 朝やけ (あさやけ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.795 Zeichen · 24 Bildschirme
おれを此処に引張って来た園部も、この屋上からの夜明けを眺めたことがあるだろうか。いや、恐らくあるまい。詩人である彼は、ただ屋上のバーということだけで、気に入ったものらしい。地下室のバーと屋上のバーとは、共に人の旅情をそそるものだと、彼は言った。それは詩人の幻想をはぐくむものらしい。だが、おれは詩人ではない。陰欝な夜の眺望などは、嫌なことだ。おれは屋内に戻っていった。中野卯三郎はまだいた。
おれはどうして、あんな女男みたいな奴と親しく飲み交わすようになったのか。おれの方でうっかりしたのだ。彼は平素、愛想のいい青年紳士らしい挙措なので、人目にはつかない。だが酔ってくると、喜久子の前だけかも知れないが、なにか粘っこい女らしさを発散する。それが、わざとらしい不自然さでないだけに、おれの神経を刺戟するのだ。相当に名の売れた楽器店の息子で、園部の弟子と自称してるところを見ると、詩作も少しはやるらしいし、また楽器も多少はいじれるらしいし、ダンスもやるらしいし、そして楽器店の商売にも外交的手腕をいくらか持ってるらしい。つまり、いろいろなことが出来て、結局は何も出来ないのだ。