Japanische Klassiker mit Furigana
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あさおきのひとたち
朝起の人達
佐々木 邦
Lesen Sie 朝起の人達 (あさおきのひとたち) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.511 Zeichen · 14 Bildschirme
壮健な人は天気を苦にしない。
「二三日見えませんでしたね。お天気が好かったのにいけなかったんですか?」
と問われて、
「又少し腫れましてね、歩くのが億劫で」
と天気の加減でなくて疝気の都合を訴える中老もあれば、
「あなたは精が出ますね」
と褒められて、
「私は不眠症ですから夜の明けるのが待ち切れないんです」
と喞つ青年もある。彼等は皆朝起をして壮健になったのではない。壮健でないから朝起をするのである。余所は兎に角、私の家から芝公園までを問題にすると、世間の寝ている中から起きて歩く手合は、新聞配達と牛乳屋と泥棒を例外として、病身者と貧乏人に限る。
しかし、時折飛び入りがある。この間の朝は大家の若主人らしいのが綺麗な細君をつれてやって来た。夫婦して私の隣りのベンチに掛けた時、
「松公、彼方へ行っていろ! お前はおれの自由を束縛するのか?」
と若主人が叱ったので、私はお供のあるに気がついた。松公は仰せに従って遙か彼方へ引き退った。
「そんなに仰有らなくてもよろしいじゃございませんか?」
と細君が宥めた。
「あゝ、壮観々々!」
と若旦那は間もなく日の出を賞し始めた。
「綺麗でございますわね」