Japanische Klassiker mit Furigana
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きのしたもくたろう『からくさひょうし』じょ
木下杢太郎『唐草表紙』序
Lesen Sie 木下杢太郎『唐草表紙』序 (きのしたもくたろう『からくさひょうし』じょ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.476 Zeichen · 7 Bildschirme
叙景に於てもあなたは矢張り同じ筆法で読者の眼を朦朧と惹き付ける事が好であるように見受けました。要するに水でも樹でも、人の顔でも凡てあなたの眼にうつるものは、決して彫刻的にあなたを刺戟していないように見えます。全く絵画的にあなたの眸を彩どるのだろうと思います。しかもアンプレショニストのそれの如く極めて柔かです。そうして何処かに判然しないチャームを持っています。だから私は「荒布橋」の冒頭に出てくる燕の飛ぶ様子や、「夷講」の酒宴の有様を叙するくだりに出会った時、大変驚ろいたのです。二つのものは平生のあなたの筆で書きこなされたものとは思えない位硬いのです。
要するに貴方の小説に有り余る程出てくるのは一種独特のムードでしょう。だから夫がまとまらない上に、筋が通らないとか、又は主人公の哲学観などが露骨に出てくると、一方が一方を殺して、少し平生の御手際に似合わない段違いのものが出来はしまいかと疑われます。「荒布橋」とか、「岡田君の日記」とか、「六月の夜」の一部分とかになると、其所に手荒で変に不調和なものが露われているようです。其代りよし気分丈のものでも筋のまとまらない「河岸の夜」