Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きそおんたけのりょうめん

木曽御嶽の両面

吉江 喬松

Lesen Sie 木曽御嶽の両面 (きそおんたけのりょうめん) von 吉江 喬松 (よしえたかまつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.819 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「川魚なんかありましね、御飯と御汁とならありますし。」

「じゃ、それでも好い、急いで持って来ておくれ。」持って来たのは御飯といっても砂だらけ、御汁といっても煤臭いようで、おまけに塩湯でも飲むようだ。山菜とかいって野生の菜を汁の味にしたものである。その飯はざらざらしていて、如何に空腹でも二杯とは食べられない。旅宿のある所まで何里あるかというと、

「そうだね、まあ西洞まで行かっしゃりゃ、宿屋はありましず、四里だね。」

「四里じゃ、一呼吸だ、路はどうだね。」「やはり今降りて御座らっしたような……。」

「急かね。」「だが、いくらか違いましず。」

四里の峻坂、木の根を踏み越えて下るのか。一呼吸だと意張っては見たものの実は内々閉口していた。それに空はどうやら曇って来た。これで雨にでも合おうものなら愍然なものだ。二階から下りようと段々の処へ行くと、戸を立て切って上に小さな木札をかけて「林務官御室」としてある。かような家でも特別室があるのかと不思議な思がした。

入口の処へは今、里から食料を運ぶ男が着いたと見えて四、五人集ってわいわいいっていた。ぎょろっと片眼の飛び出した大男が腰をかがめて、かますに這入っている青物など何かと調べていた。