Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みきかんのともに

未帰還の友に

太宰 治

Lesen Sie 未帰還の友に (みきかんのともに) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.241 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

「おばさんは?」

「おります。」

「そう。それはちょうどいい。二階か?」

「ええ。」

「ちょっと用があるんだけどな。呼んでくれないか。おじさんでも、おばさんでも、どっちでもいい。」

娘さんは二階へ行き、やがて、おじさんが糞まじめな顔をして二階から降りて来た。悪党のような顔をしている。

「用事ってのは、酒だろう。」と言う。

僕はたじろいだが、しかし、気を取り直し、

「うん、飲ませてくれるなら、いつだって飲むがね。しかし、ちょっとおじさん、話があるんだ。店のほうへ来ないか?」

僕は薄暗い店のほうにおじさんをおびき寄せた。

あれは昭和十六年の暮であったか、昭和十七年の正月であったか、とにかく、冬であったのはたしかで、僕は店のこわれかかった椅子に腰をおろし、トンビの袖をはねてテーブルに頬杖をつき、

「まあ、あなたもお坐り。悪い話じゃない。」

おじさんは、渋々、僕と向い合った椅子に腰をおろして、

「結局は、酒さ。」とぶあいそな顔で言った。

僕は、見破られたかと、ぎょっとしたが、ごまかし笑いをして、

「信用が無いようだね。それじゃ、よそうかな。マサちゃん(娘の名)の縁談なんだけどね。