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Japanische Klassiker mit Furigana

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みらいのちかせんしゃちょう

未来の地下戦車長

海野 十三

Lesen Sie 未来の地下戦車長 (みらいのちかせんしゃちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.930 Zeichen · 85 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は、戦車からはいだすと今にもぶったおれそうな身体を、両脚で支えて、加瀬谷少佐の前に出た。

「部隊長どの、自分は……」

とまではいったが、あとはのどにつかえて、声が出なくなった。彼は、歯をくいしばって、われとわが横面を、がーんとなぐりつけた。そして、はっとしたところで、彼は、懸命の声をふりしぼって、

「……自分は、すまないことをいたしました。用意が足りんで、まことに、すまないであります」

岡部一郎は、それだけいうと、もうたまらなくなって、思わず戦車服の袖で、両眼をおさえた。ぽたぽたと、大粒の涙が、戦車帽の袖から、下に落ちて、土にしみこんだ。

加瀬谷少佐は、じっと岡部伍長のこの様子を見ていたが、そのとき、形を改め、

「岡部伍長、今日の地下戦車の試験は、ついに失敗におわった、お前の設計は、まだ充分でない。そのことは、部隊長として、叱り置く」

と、きめつければ、岡部伍長は、涙にぬれた顔をあげ、厳然と不動の姿勢をとって、

「はい」と、こたえた。

「だが、この失敗のためにお前に命じた地下戦車研究の志がもしすこしでも鈍るようなことがあれば、わしはお前をさらに叱りつけねばならん」