Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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すえっこ

末っ子

山本 周五郎

Lesen Sie 末っ子 (すえっこ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.564 Zeichen · 55 Bildschirme

Aozora Bunko

「黙れ平五、――」と敬二郎が云った、「よそへいったって兄は兄だぞ、しようのないやつだ、あやまれ」

平五は黙っていた。

「あやまれ」と敬二郎が云った、「あやまらないのか、平五」

そのとき米良平左衛門がとりなしにはいった。彼は敬二郎と同年の三十二歳だが、風貌も気質もずっと老成しているし、親族の中では唯一人の平五の味方であった。ところでその平左衛門が、とりなすに事を欠いて、とんでもないことを云いだしたのである。

「もういいよ敬さん、そう叱りなさんな」と米良が云った、「貴方がたにはまだ末っ子のあまったれとみえるのだろうが、平さんも二十四になったし、もう想いをかけた娘さえあるらしいからね」

平五は口をあき、それから狼狽して、「米良さん」と遮ったがまにあわず、森内膳がそれはいいと笑いだし、それにつられてみんなが笑った。父の玄蕃さえも笑って、ばかなやつだ、と云うのが聞え、平五は立ってそこから逃げだした。

三日ばかり経って、平五は榎坂の米良を訪ね、そのときのことをなじった。米良はにやにや笑って、あの手でなければ敬さんをそらせないと思ったのだ、と云った。

「気に障ったら勘弁してくれ」