Japanische Klassiker mit Furigana
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ほんじょまつざかちょう
本所松坂町
尾崎 士郎
Lesen Sie 本所松坂町 (ほんじょまつざかちょう) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.622 Zeichen · 55 Bildschirme
酔うと必ず、憮然として腕をさする。茶屋女に興味を持たぬ彼は朝から家にひきこもって、ひとりで冷酒をあおっていることもあった。
三月十四日は、うす曇りで、風のつよい日であった。早朝から上野介が登城したあとで、一学は山吉のほかに新見弥七郎と大須賀次郎右衛門を自室に招いて、朝から、ちびりちびりやっているとき、執事役の清水団右衛門が真っ蒼になってとびこんできた。その朝、城内では勅諭奉答の儀式が行われることになっていたが、兇変はそれに先立って起った。
松の間の廊下で、上野介はその日の饗応役、浅野内匠頭から、だしぬけに斬りつけられたのである。
内匠頭、刃傷の動機はこの青年大名が勅使饗応係に任命されたときから端を発する。彼は殿中の作法典範をわきまえぬため、一切の指導を上野介に仰いだ。そのときの進物が鰹節一連で、それがあまりに軽少すぎたという理由のために上野介の憎悪を買ったことに原因すると言われている。
もちろん、賄賂公行の時代ではあったし、大役が、儀式の指揮に任ずる上野介に心こめて贈り物をすることは当然の儀礼ではあったとしても、その贈り物の多寡に応じて態度を変えようとするほど上野介は利慾に眼のくらんだ男ではない。