Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅにっき
朱日記
泉 鏡花
Lesen Sie 朱日記 (しゅにっき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.583 Zeichen · 28 Bildschirme
最も遠くの方は中絶えして、一ツ二ツずつ続いたんだが、限りが知れん、幾百居るか。
で、何の事はない、虫眼鏡で赤蟻の行列を山へ投懸けて視めるようだ。それが一ツも鳴かず、静まり返って、さっさっさっと動く、熊笹がざわつくばかりだ。
夢だろう、夢でなくって。夢だと思って、源助、まあ、聞け。……実は夢じゃないんだが、現在見たと云ってもほんとにはしまい。」
源助はこれを聞くと、いよいよ渋って、頤の毛をすくすくと立てた。
「はあ。」
と息を内へ引きながら、
「随分、ほんとうにいたします。場所がらでござりまするで。雑所様、なかなか源助は疑いませぬ。」
「疑わん、ほんとに思う。そこでだ、源助、ついでにもう一ツほんとにしてもらいたい事がある。
そこへな、背後の、暗い路をすっと来て、私に、ト並んだと思う内に、大跨に前へ抜越したものがある。……
山遊びの時分には、女も駕籠も通る。狭くはないから、肩摺れるほどではないが、まざまざと足が並んで、はっと不意に、こっちが立停まる処を、抜けた。
下闇ながら――こっちももう、僅かの処だけれど、赤い猿が夥しいので、人恋しい。
で透かして見ると、判然とよく分った。