Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅにっき
朱日記
泉 鏡花
Lesen Sie 朱日記 (しゅにっき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.583 Zeichen · 28 Bildschirme
と両手で控帳の端を取って、斜めに見せると、楷書で細字に認めたのが、輝くごとく、もそりと出した源助の顔に赫ッと照って見えたのは、朱で濃く、一面の文字である。
「へい。」
「な、何からはじまった事だか知らんが、ちょうど一週間前から、ふと朱でもって書き続けた、こりゃ学校での、私の日記だ。
昨日は日曜で抜けている。一週間。」
と颯と紙が刎ねて、小口をばらばらと繰返すと、戸外の風の渦巻に、一ちぎれの赤い雲が卓子を飛ぶ気勢する。
「この前の時間にも、(暴風)に書いて消して(烈風)をまた消して(颶風)なり、と書いた、やっぱり朱で、見な……
しかも変な事には、何を狼狽たか、一枚半だけ、罫紙で残して、明日の分を、ここへ、これ(火曜)としたぜ。」
と指す指が、ひッつりのように、びくりとした。
「読本が火の処……源助、どう思う。他の先生方は皆な私より偉いには偉いが年下だ。校長さんもずッとお少い。
こんな相談は、故老に限ると思って呼んだ。どうだろう。万一の事があるとなら、あえて宮浜の児一人でない。……どれも大事な小児たち――その過失で、私が学校を止めるまでも、地を踏んでなりと直ぐに生徒を帰したい。