Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むらのせいこうしゃ

村の成功者

佐々木 邦

Lesen Sie 村の成功者 (むらのせいこうしゃ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.883 Zeichen · 84 Bildschirme

Aozora Bunko

と願い出た。

「宗像さんや安藤さんは金持だから東京の学校へでも行ける。家は違うよ。師範へ入りなさい」

「でも僕は先生になりたくないんです」

「それじゃ仕方がない。百姓をするさ」

「百姓も厭です」

「それじゃ角町へ奉公に行くか?」

「商人は嫌いです」

「それじゃ何になりたいんだい?」

「豪い人になりたいんです」

「師範へ入っても豪い人になれるよ。俺が法を教えてやる」

と父親は瞞し賺したが、卓造君は納得しなかった。到頭、

「何うか中学へやって下さい。僕、○○町まで毎日歩いて行きます」

と実際問題を持ち出した。

「五里あるよ」

「朝五時に出掛ければ八時に着きます」

「山路だよ」

「僕、足は丈夫です」

「天気の日ばかりはないよ。一日十里歩いて勉強が出来るものか」

と父親は考え込んだ。角町○○町間を乗合自動車が通う。しかしそれに乗せて家から通学させれば寄宿舎へ入れるのと同じぐらいな勘定になる。要するに費用の問題だった。訓導の俸給がもう二三割上らない限り、永久に解決がつかない。

「あなた」

と或日母親が口を出した。

「何だい?」

「毎日同じことばかり言っていても仕方ありませんから、私、田川へ行って相談してみます」