Japanische Klassiker mit Furigana
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とうきょうようさい
東京要塞
海野 十三
Lesen Sie 東京要塞 (とうきょうようさい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.341 Zeichen · 37 Bildschirme
大道も狭いと云わんばかりに蹣跚いてゆく酔漢の背後に、半纏着の男はつつと迫っていった。
「あっ、な、なにをする――」
と酔漢が愕きの声をあげるところを、半纏着の男は酔漢の襟がみつかんで、ずでんどうと鋪道になげとばした。
「うぬ、――」
と起きあがろうとするのを、半纏男は背後から馬乗りになって、何やら棒のようなものでぽかぽかと滅多うち。
ぐたりと伸びるところを、半纏男は足をもってずるずると堀ばたに引張ってゆき、足蹴にしてどーんと堀の中になげこんだ。
どぼーんと大きな水音が、闇を破って響きわたった。
ずいぶん乱暴な行為であった。
しかし警官隊は、林のように鎮まりかえっている。彼等にはこの暴行者がまるで映らないようであった。
なんという腑に落ちないこの場の光景であろうか。
暴行者の半纏着の男は、堀ばたに立って、じっと水面を見つめていた。五秒、十秒、二十秒……。
すると、彼は何思ったか、手にしていたアルミの弁当箱をがたんと音をさせて地上に投げだすが早いか、そのまま身を躍らせてどぼーんと堀のなかに飛びこんだ。
「おーい、しっかりしろ」
彼は片手に半死半生の酔漢を抱えあげた。