Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とうかいどうごじゅうさんつぎ

東海道五十三次

岡本 かの子

Lesen Sie 東海道五十三次 (とうかいどうごじゅうさんつぎ) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.849 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

主人が「及ばずながら」と引受けると、人懐っこい眼を輝かしながら頻りに感謝の言葉を述べるのであった。そして、これから私たちの行先が桑名見物というのを聞取って

「あすこなら、私よく存じている者もおりますから、御便宜になるよう直ぐ電話で申送って置きましょう」

と言って帰って行った。

小松技師が帰ったあと、しばらく腕組をして考えていた主人は、私に言った。

「憧憬という中身は変らないが、親と子とはその求め方の方法が違って来るね。やっぱり時代だね」

主人のこの言葉によって私は、二十何年か前、作楽井氏が常に希望を持つ為めに、憧憬を新らしくする為めに東海道を大津まで上っては、また、発足点へ戻ってこれを繰返すという話を思い出した。私は

「やっぱり血筋ですかね。それとも人間はそんなものでしょうか」

と、言った。

汽車の窓から伊勢路の山々が見え出した。冬近い野は農家の軒のまわりにも、田の畦にも大根が一ぱい干されている。空は玻璃のように澄み切って陽は照っている。

私は身体を車体に揺られながら自分のような平凡に過した半生の中にも二十年となれば何かその中に、大まかに脈をうつものが気付かれるような気のするのを感じていた。