Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうえんじょしのおもいで
松園女史の思い出
金子 薫園
Lesen Sie 松園女史の思い出 (しょうえんじょしのおもいで) von 金子 薫園 (かねこくんえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.745 Zeichen · 4 Bildschirme
何か私の話でも聞き出そうとして、その場のともすれば白けそうな空気を和めようとする心づかいであったらしい。私はその「歌枕」という、澄んだ刺すような言葉が、今も耳に新しく聞えるようである。その時私ははっとして、「京の一番いい今ごろの季節にしたしもうと思って来たのですが、いつか限られた日数がすぎましたので、このままこうどこへも廻らずに帰ります。近江の岡(※里)の方へ廻る予定でしたが、この次にします。かねてからお目にかかろうと願っていた思いが遂げられて、こんな嬉しいことはないのです」と、ぎごちない挨拶を返したのであった。すると、女史は話題をかえて、「お妹さんはこのごろいかがですか。今度御一緒においでになったらよかったですのに。お妹さんのことは岡さんからお聞きして懐かしく思っています」と、幾分か話がはずんできた。私は、「お噂は岡から承って、大へんお慕いして居りますので、加減がいいとつれて参ったのですが」と語り出して、残してきた病床の妹の事が案じられた。女史は京の新茶と珍菓を出して、もてなされた。
一椀のうす茶の上に風わたり言葉すくなに
対う半日
私はこの時いい気持になって、蓮月尼の事を話しかけた。