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Japanische Klassiker mit Furigana

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まつかぜのもん

松風の門

山本 周五郎

Lesen Sie 松風の門 (まつかぜのもん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.862 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

大学は言葉を切った、かなり長い沈黙があった。それから再びつづけたが、その声はもう隠しようのないほど濡れていた、「いつぞや達磨の悟りの話をしていたことを、覚えておいであそばすか……お上はお笑いなされた、益もない者になったと仰せられた、然しあれは決して笑うような言葉ではござりません、睨んでいるだけでは壁に穴は明かぬ、もういちどよくお考えあそばせ、彼が断乎として三人を斬ったのも、即日腹を切って果てましたのも、みな、この一語の悟りから出ているのです、農民たちの遺恨を背負って彼は死にました、もはや……御家は安泰でござります」

宗利の眼は大きく瞠かれたまま、枯れた草地の上を見戍っていた。……其処は北側を鉄砲庫で塞がれているため、一面に枯れた草の根からは、もう薄青い芽を覗かせているものもあった。

――そうだ、たしかにそうだ、宗利は大学の言葉とはまったく別にそう考えた。八郎兵衛はこの盲いた右の眼のために死んだのだ、あのとき以来、あの過失を償う機会の来るのを待っていたのだ、伊達家のためもあるかも知れない、七万石を安泰にしようと思ったのも嘘ではないだろう、然しもっと深く、もっと厳しく考えていたのは、この右の眼だ。