Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りんご

林檎

豊島 与志雄

Lesen Sie 林檎 (りんご) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.752 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

いつでも何処にでも、あり余るほど沢山います。子供がこの世にいなくなることは決してありません、決してないんです。」

彼は一寸鹿爪らしい顔付になって、眼の曇りが薄らぎ底深い空洞を示しかけたが、それがまたふっと曇ってきて、口許ににやりと薄ら笑いを湛えた。

「子供は温かなものですよ。ほかほかとした何とも云えない温かさです。一寸他に類がありませんね。ごらんなさい。向うに母親の膝を枕に眠ってる子がいますでしょう。あの母親の膝なんか、ただ子供の頭がのっかってるだけで、炬燵にはいったのよりももっと気持よく、ぽかぽかと温ってるに違いありません。」

そして彼は、もう私のことなんかは打忘れたかのように、その母と子とから眼を離さずに、時間を置いてはにやにや薄ら笑いを洩らした。私は可なりの間彼の様子を見守っていたが、ついに待ちきれなくなって云い出した。

「それから、あなたはどうしましたか。」

「え?」

彼は向直って、不思議そうに私の顔を見た。

「警察に連れて行かれたというお話でしたが、それから……。」

「警察……ああそうですか。実に馬鹿馬鹿しい所ですよ。高い格子窓のある暗い室に押込まれましたがね、碌に食物も布団もくれないんです。