Japanische Klassiker mit Furigana
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りんご
林檎
豊島 与志雄
Lesen Sie 林檎 (りんご) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.752 Zeichen · 24 Bildschirme
あなたは子供の匂というものを御存じですか。」
彼はしまりのない薄い唇をなお弛めて、一人でにやにや笑い初めた。
「甘酸っぱいような妙な匂ですよ。牛乳の腐りかけたのがありますね、あんな風な匂です。でも子供によって多少違いますね。その甘酸っぱいのに、汗の匂を交えたのもあるし、黴の匂を交えたのもあるし、薄荷の匂を交えたのもあるし、レモンの匂を交えたのもあって、いろいろです。向うに寝てる子供なんか、屹度薄荷の匂の交ったやつですよ。」
彼は小鼻の横に皺を寄せて、うそうそと微笑んだ。
「それから子供の身体は、思ったよりも頑丈ですよ。まるまると肥っていても、妙に骨の節々ががっしりしているものです。ただ指の先と頬辺とだけは、餅のように柔かくつるつるしています。この骨の節々が太くて指先と頬辺とが柔かいほど、子供としての価値があるんです。骨組がひょろひょろしていて、頬がざらざらしてるのなんかは、全く駄目なんです。あなたはそう思いませんか。」
「そうかも知れません。」と、私はぼんやり答えた。「そして、その子供はどうしました。」
「その子供って……ああそうですか。翌朝帰してやりましたよ。