Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
そめきちのしゅぼん
染吉の朱盆
国枝 史郎
Lesen Sie 染吉の朱盆 (そめきちのしゅぼん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.824 Zeichen · 35 Bildschirme
先へ廻って染吉の朱盆を、かっ浚おうとでもしているようだ。曰くがなければならないぞ」
神保町から一つ橋、神田橋から鎌倉河岸、それから斜めに本石町へ出、日本橋通を銀座の方へ、女はズンズン歩いて行く。だから、もちろん、岡八も歩いて行かなければならなかった。
無暗と女は歩くのではなかった。目星しい古物商があると、軒別に這入って訊くのであった。
「染吉の朱盆、ありましょうか?」
あるといえば手金を打ち、買取る約束をするのであった。
実際のところ染吉の朱盆は、極めて数が少ないと見え、昼からかけて夕方までに、そうやって女が約束した数は近々五枚に過ぎなかった。尾張町まで来た時である、ふと女は足を止めた。
「またあったかな、古道具屋が?」
岡八、見廻したが古道具屋はない、江戸で名高い錦絵の問屋、植甚というのがあるばかりであった。
店先に錦絵が並べてある。沢山の武者絵や風景画や、役者の似顔絵や、美人画など……それを女は見ているのであった。
「朱盆が錦絵に変ったかな?」
変に思った岡引の岡八、成るだけ女に気取られないように、自分も店先を覗いてみた。
素晴らしい一枚の死絵がある。