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Japanische Klassiker mit Furigana

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そめきちのしゅぼん

染吉の朱盆

国枝 史郎

Lesen Sie 染吉の朱盆 (そめきちのしゅぼん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.824 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

切り仆された手代風の男、まだヒクヒクうごめいている。

と、右手から人の足音、雪駄穿きだな、バタバタと聞える。現れたのは職人風の男、死にぞこないにつまずいた。

「おっ!」というとつくばった。

「しめた!」というと飛び上がった。途端に右手が宙へ躍った。

と、どうしたんだ、あわてたように「しまった!」と叫ぶと引っ返してしまった。どこへ行ったか解らない。

「あッ、取られた、大事な朱盆!」

切られた手代風の男の声! そうしてそれなり、死んでしまった。

数日経った或日のこと、

「ご免下さい」と訪う声。

人殺しのあった側の屋敷、その玄関から聞えて来た。扮装だけはシャンとしているが、顔に無数の痘痕のある可成り醜い男が立っている。

「はい」と現れたのは小間使い「何かご用でございますか?」

「突然で不躾ではございますが、もしやお屋敷の庭の隅に、朱盆が落ちてはおりませんでした?」

「しばらくお待ちを」と這入って行った。

引き違いに現れたのは一人の令嬢、「※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)たけた」という形容詞が、そっくり当て篏まるような美人であった。

「おたずねの品物、これでございましょう」