Japanische Klassiker mit Furigana
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そめきちのしゅぼん
染吉の朱盆
国枝 史郎
Lesen Sie 染吉の朱盆 (そめきちのしゅぼん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.824 Zeichen · 35 Bildschirme
二服目のたばこをふかし出した。「そうはいっても俺だって、トンチキでないとはいわれないよ。今日まで気づかずにいたのだからなあ」
「さてこれからどうしたものだ」たばこを喫い切ると考え込んだ。「用心堅固に構えているなら、かえって安々忍び込めるのだが、彼奴等まるで不用心だ。すっかり世間を甞め切っていやがる。それだけにちょっと物凄いよ」
ポンともう一度煙管を抜き出し、またたばこをすい出した。
「一人で十二人はあげられねえなあ」岡八またも考え込んだ、「帰って若いのをつれて来るかな?」煙管が地面へ落ちたのさえ、気づかない程に考え込んだ。「とはいえ一応中味も見ずに、食らいつくことも出来ないからなあ。……矢っ張り思い切って忍び込んでやれ。……だが俺は先刻名乗ったんだからなあ。彼奴等用心をしているかもしれねえ。……とそこまで取越苦労をしたら仕事なんか出来ねえということになる。……というものの薄ッ気味が悪い! 普通の悪党じゃァないんだからなあ。……などといっていると夜が明ける。……かまうものか、忍び込んでやれ!」
塀にピッタリ体をつけさっと捕縄を忍び返しにかけてスルスルスルスルとよじ上った。