Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そめきちのしゅぼん

染吉の朱盆

国枝 史郎

Lesen Sie 染吉の朱盆 (そめきちのしゅぼん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.824 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

つまり主人のいいつけで、染吉の所から持って来たのさ。追っかけて来た職人は、当然染吉とするんだなあ。染吉という男名人気質で、自作にひどく愛着を持ち、人に渡すのを厭やがったというから、取り返しに来たと見立てるがいい、手代がそこにたおれている、朱盆をちゃんと持っている、で『しめた!』と叫んだことにするさ。取り返した嬉しさに飛び上がった途端、ヒョイと盆が手から放れ、お縫様屋敷へ飛び込んだとするさ。で『しまった!』と叫んだことにするさ。その時はじめて気がつくと手代の野郎殺されている。で一散に逃げたとするさ。盆に未練がある所から、お縫様屋敷へ取りに行ったが、あんまりお縫様が奇麗だったので、くれる気になって置いて来たとするさ。こいつを四回繰返させるんだあね。武士の辻斬り以前の通りさ、盆の取り返し、以前の通りを、ただし二回目からは、染吉をして、わざと屋敷へ投げ込ませたことにするさ。ああそうだよ、朱盆をな。で『しまった!』とはいわなかったことにするさ。なぜ投げ込んだ? いうまでもないや、恋の心を通わせるためさ。『恋すてふ』というあの歌だが、偶然蒔絵したと解するんだなあ。