Japanische Klassiker mit Furigana
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えいぞうのし
栄蔵の死
宮本 百合子
Lesen Sie 栄蔵の死 (えいぞうのし) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.295 Zeichen · 77 Bildschirme
大きな声を出してお君が物を云って居るんで、お金は境の唐紙の所の柱によりかかって、親子の様子を見て居たが、二人が頭をつき合わせて一つ鉢の花を見て居て、自分は斯うやって一人で立って居るのかと思うと極く子供っぽいながら、烈しい、うらやみとねたみが湧いて来た。
ああやって、あんなしなびた様な花さえ賞めて居るお君が、同じ口で、どれほど自分の陰口をするのか分らないと思うと、半分は自分で意識しなずに、高い声で、
親子ほど有難いものはないねえ、
親のくれたものだと思うと、袂糞でもおがむだろう。
と云って口の辺をヒクヒクさせた。
「姑」と云う感じが胸一杯になって居た。
いつもなら、赤くなって、だまり返って居るお君が、力強い後楯がある様に、
「ほんにそうどっせ、
袂糞やて父はんのおくれやはったものやと思えば有難う思うでのみますわ。
と云い返した。
「そうだろうってさ、
お前のお父さんは袂糞位が関の山さ。
と捨白辞をのこして、パッパと隣りへ行ってしまった。
「あんまりどっせ、
何ぼ義母はんやかて我慢ならん事云いやはる、ほんに。
お君は、真赤になって涙をいかにも口惜しそうにボロボロこぼした。