Japanische Klassiker mit Furigana
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ねぎしあんほうもんのき
根岸庵訪問の記
伊藤 左千夫
Lesen Sie 根岸庵訪問の記 (ねぎしあんほうもんのき) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.345 Zeichen · 5 Bildschirme
門前に躊躇しながら内をのぞいてみると。女の下駄が三足あるけれどちゃんと内へ向いて並んでいる よその人のらしくない 客もないなとは思うたがまずまず今日はよるまいと決心した。
決心はしたもののさればと云って未だなかなか帰ると云う方に足はむかない。暫くたたずんで内の様子を見ると云うでもなく考えて居ると云うでもなく只ぼんやりしていたのである。おっかさんの声もしない 妹さんの声もしない 先生のせきの声もきこえない。帰ろうと云う決心極めて薄弱であるので未だ吾からだを動して帰路に向わしむる程の力がないのだ。何とはなしに陸さんの門前の方へ廻り何とか云う人の門につきあたり左の方を注視したけれども先生の庭の方へ出でる道はない 仕方はないから又もとへ戻って先生の前へ来た。ふたたび内をのぞいた 下駄もさきに見た通りでかわらない 愈ほんとうの決心がでて門前を東へ過ぎて吾躰を運転した。例の通りつき当って右へまがり又右へまがりいつも先生の庭の方へゆく門の所までくると又ふらふらと気が動いて此門へはいった。直ちに例の杉屏の前までやった 裏からはいろうと云う心でもなくまあ……のぞき込みにきたのだ。