Japanische Klassiker mit Furigana
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けいまのげんそう
桂馬の幻想
Lesen Sie 桂馬の幻想 (けいまのげんそう) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.784 Zeichen · 28 Bildschirme
山上へ登りきると、うまいぐあいに裏手の畑で働いている男の姿を認めた。彼のセーターをきて野良をたがやしているのである。茶店の前をよけて畑へまわり、男の前へ立ってみると、まさしく木戸ではないか。木戸は彼を認めると、落ちつきはらって、笑った。さすがに勝負師のずぶとさであった。
「きのうお見えの噂をうけたまわっておりましたよ。よくわかりましたね」
「キミの奥方のカンバセにボクも四五桂を読んだのでね。もしやという不安がわいたのさ。御達者で何よりだ」
「もう世をすてました。お目にかかっても、何も申上げる言葉がないんですが」
「しかし、四五桂から同棲のコースは、ありうるとは思ったが、意外であったね。文士にとっても、やや意外だね」
「そうですか。ボクにはそれほどのこともないのですが。ボクは盤面の四五桂に錯覚し、次の対局ではペシャンコでしたが、ここの四五桂には錯覚がありませんでした。盤面に見切りをつけるのは当然じゃありませんか。ここに故郷を見出すのも当然なんです。むしろ宿命的ですよ。きわめて素直なコースです」
「しかし、オヤジサンの死は病死だというじゃないか」
「むろん、病死です。