Japanische Klassiker mit Furigana
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つちのなかからのはなし
桜の森の満開の下
Lesen Sie 桜の森の満開の下 (つちのなかからのはなし) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.558 Zeichen · 153 Bildschirme
「やア、相変らず御精がでるな、いつも達者で、めでたい」
と、和尚は川の流れのふちに立止って、女に話しかけた。
「オヤ、和尚さん。こんにちは。いつも和尚さんは顔のツヤがいいね」
「ウム、お互いに、まア、達者でしあわせというものだ。ところで、つかぬことを訊くようだが、お前さんはこの一月ほど、牛がでて、そのなんだな、蹴とばされるような夢をみなかったかな」
「なんの話だね。藪から棒に。和尚さんは人をからかっているよ」
「いや、なに、ただ、牛の夢にうなされたことがないかというのだよ」
「そんなおかしい夢を見る者があるものかね。ほんとに意地の悪いいたずら者だよ、和尚さんは」
女は馬鹿みたいにアハハアハハと笑った。和尚はてれて、ひきさがってきた。
(初出誌不詳)