Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくろうのめ
梟の眼
大倉 燁子
Lesen Sie 梟の眼 (ふくろうのめ) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.354 Zeichen · 23 Bildschirme
お金をどうしよう?――仕払いの時、もし、出来なかったら――、と思うと眼の先が真暗になる。だが、――どうにかなるだろう、構わない、買っちまえ! 彼女は顔をほてらせて、凝とダイヤを見ているうちに、何だか頭がぼうッとした。ふと我に返るとはッとして、また考えた。そんな無茶なことをしてどうする? 到底それだけお金が出来るはずがないのに、――無謀な考えを起したら、それこそ月末は大変だ、やっぱり――、断念めるより仕方がない。彼女は名残り惜しそうに指輪をぬいて、箱に納め、力なく返そうとしたが、傍にいた店員の姿が、どうしたのか見えなかった。四辺を見廻すと、自分の側に、やはり同じように、指輪に見入っている婦人があった。ちょっと見た時西洋人かしらと思ったほど、洋装がしっくりとよく似合い、帽子から、靴まで薄墨色であった。背が高くて、スマートな、好ましい姿だ。と陽子はつくづく眺めた。余りじろじろ見たせいか、その婦人はすうッと向へ去ってしまった。そこへ店員が戻って来たので、指輪を渡し、
「また出直して来ますわ。気に入ったのが、――あることはあるんだけれど――」と云って悄然と三越を出た。