Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
もりのせいかつ
森の生活――ウォールデン――
神吉 三郎
Lesen Sie 森の生活――ウォールデン―― (もりのせいかつ) von 神吉 三郎 (かんきさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.131 Zeichen · 12 Bildschirme
んがためであった。が、彼は消極的に花鳥風月をたのしむ風流人ではなく、魚を釣り、水鳥を追いまわし、兎やリスに餌をやるまめな人間である。また湖水に測鉛を投じ、氷の厚さに物指しをあて、携帯望遠鏡で動物の瞬間的生態をとらえんとする科学者でもある。特に珍重すべきは彼が風景や動植物についてもつ異常に鋭敏な詩的感受性と表現力である。それによって彼はあるいは青空に溶けこむほどうつくしく霊妙な、あるいはずっしりと重みのある変に生ま生ましい、幾つかの、否、幾十かの不朽な心象を創造した。やや注意ぶかくこの書を読む人は、しばしばそれに行きあたり、長くとどまる感銘を心に投ぜられるであろう。ただし彼は効果を考えて過不足のないタッチを按配する器用な芸術家ではない。また彼の着想とその展開とは必ずしも作家が普通に持ちあわせ、読者が待ちもうける溝に沿うては流れない。彼は独断と誇張と飛躍とをはばからず、独りよがりや野狐禅的口吻と受けとられがちなものをも挙揚する。そこにある程度まで晦渋と抵抗とがまぬがれがたく、甘脆軽快な読物にのみ慣れた読者には取りつきにくい点がなくもない。けれども小さな完成を必ずしもこいねがわず、かりそめの成敗を多く意に介せず、正直と真面目さから来る独創を珍重する読者はこの書物から多くの示唆と収穫とをうるにちがいない。