Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かんおけのはなよめ

棺桶の花嫁

海野 十三

Lesen Sie 棺桶の花嫁 (かんおけのはなよめ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.845 Zeichen · 86 Bildschirme

Aozora Bunko

ミチミはそんな声が入らぬらしく、小さいビフテキの片を頬ばったまま、長い吐息をついた。

「ねえ、あなた。あの学芸会の練習のとき、あたしが誰かに殺されてしまったと思ったお話を、もう一度してちょうだいナ」

ミチミは、テーブルの向うから、杜の顔をのぞきこむようにして囁いた。

「またいつもの十八番が始まったネ。今夜はもうおよしよ」

「アラいいじゃないの。あたし、あの話がとても好きなのよ。まあ、こういう風にでしょう。――僕はすっかり落胆した。恐怖と不安とに、僕の眼前はまっくらになった。ああミチミはどこへ行った? 絶望だ、もう絶望だッ!」

「これミチミ、およしよ」

「――しかし突然、僕はまっくらな絶望の闇のなかに、ほのかな光り物を見つけた。僕は眼を皿のように見張った。明礬をとかしたように、僕の頭脳は急にハッキリ滲んできた。そうだ、まだミチミを救いだせるかもしれないチャンスが残っていたのだ。僕はいま、シャーロック・ホームズ以上の名探偵にならねばならない。犯行の跡には、必ず残されたる証拠あり。さればその証拠だに見落さず、これを辿りて、正しき源を極むるなれば、やわかミチミを取戻し得ざらん――」