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Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくらく

極楽

菊池 寛

Lesen Sie 極楽 (ごくらく) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.532 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

御門の中の有様は、有難い御経の言葉と寸分違って居なかった。直ぐ眼前に広がって居るのは、七宝池の一つに違なかった。水晶を溶かしたような八功徳水が、岸を浸して湛えて居る。しかも、美しい水の底には、一面に金砂が敷かれて、降りそゝぐ空の光を照り返して居る。水を切って、車輪のように大きい真紅や雪白の蓮華が、矗々と生えて居る。水にんでは、金銀瑠璃玻璃の楼閣が、蜿蜒として連って居る。楼閣をめぐっては、珊瑚瑪瑙などの宝樹が、七重に並んで居る。宝樹の枝から枝へと飛び交うて居る、色々様々な諸鳥は、白鵠、孔雀、舎利、伽陵頻迦、共命などの鳥であろうと思った。おかんは極楽を一目見ると、嬉しさに涙が止め度なく流れて来た。極楽に往生し得た身の果報が、嬉しくて堪らなかった。御門跡様を初めお寺様のお言葉の真実が、身にヒシヒシと感ぜられた。よくも、弥陀如来の本願を頼み奉ったものだと思った。もし、信心が薄くて、こんな果報を取り逃して、地獄へでも落ちて居たならば、今頃はどんなであったろうと思うと、思わず身体が戦き顫うのを感じた。おかんは、感極って『南無阿弥陀仏々々』と、幾度も繰返した。