Japanische Klassiker mit Furigana
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がっきのせいめい
楽器の生命
小川 未明
Lesen Sie 楽器の生命 (がっきのせいめい) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.679 Zeichen · 8 Bildschirme
そして、その人の手で造られた、オルガンは、ひじょうな高価のものでありました。
お嬢さんは、病気のため海岸へ保養にいっていました。そして、そこで、この広告を見たのであります。
それでなくてさえ気が沈んで、さびしいのを、毎日、波の音を聞き、風の並木にあたる音を聞くと、いっそう気持ちが滅入るのでした。それは、けっして、病気にとっていいことでありませんでした。
お嬢さんは、音楽が好きでしたから、こんなときに、バイオリンか、琴が弾いてみたいと思いましたが、医者は、かえって、神経を興奮させてよくないだろうといって、許さなかったのです。その医者は、音楽と神経の関係をば、かなり深く心得ていたからでありましょう。
「ここに、こういう心を愉快にする、オルガンがありますよ。」と、お嬢さんは、雑誌の広告を、まだそう年寄りでない医者に見せました。
医者は、黙って、しばらくそれを見ていましたが、驚いたというふうで、
「お嬢さん、もしこれがほんとうなら、音楽界の革命です。」といいました。
お嬢さんの顔は、青白くて、目は、澄んでいました。その目で、じっとこちらを見て、
「そうした革命はあり得ることです。