Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.073 Zeichen · 223 Bildschirme
「私はまずこの道場を守ってゆきたい」と又五郎が云った、「これをつくるまでに払われた努力や犠牲を考えると、ここで投げるなどということは絶対にできない、なにを措いても道場の持続を計るべきだと思います」
「しかしかれらは戻っては来ないぞ」
「私が話します」
「おれの恥をさらしてか」
「みやどののことは口外しません、但し、貴方はどうか譲歩して下さい」
「謝罪しろというんだな」
「貴方の暮しぶりを改めてもらいたいのです」
「たとえば」
「あの女たちを道場から出して下さい、よそへ囲って置かれることは自由ですが、この道場からは出して下さい」
「おれは石川の腕を打ち折っているぞ」
「そのことは私が話します」
「その問題がさきだ」と六郎兵衛は云った、「かれらと話して、かれらが詫びをいれるなら考えてみよう、但し、女はここから出すとしても、おれの生活はおれのものだ、今後はいかなるさしで口もしない、という誓約をしてもらおう」
「とにかく話してみます」
「おれの条件を忘れないでくれ」
又五郎は頷いた。
新八もどうやら元気を恢復していたので、又五郎は彼を伴れて材木町の家に帰り、夕食を済ませるとすぐに、西福寺へでかけていった。