Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.073 Zeichen · 223 Bildschirme
だって限りがある、自分をいやらしく思いながら、そのことに馴れてしまった躯が承知しない、私はとうとう負けた、負けないわけがないじゃないか、おまえにもそれはわかるだろうし、そのことで私を責めるわけにはいかない筈だ」
「ええそう、そのとおりよ」おみやは泣きながら頷いた、「みんな新さんの云うとおり、悪いのはあたしよ」
「泣くのはよしてくれ」
「ええ泣かないわ」おみやは涙を拭いた、「新さんに云われて、初めてわかった、あたしはただ新さんが好きで、可愛くって、どうしてもそうならずにはいられなかったの」
「本当にこのおれが好きなら、女はもっと違ったことをする筈だ、私はまだ十六にしかなっていなかったんだぜ」
「でもあたしは、そうするよりほかにどうしようもなかったの、あなたの年のことも、そんなふうにしていいか悪いかということも、なんにも考えられないほど夢中だったわ」
「おまえはただそのことだけが好きなんだ、相手はおれでなくったって、誰だってよかったんだ」
「いいえ違う、それだけは違う、あたしがそんな夢中になったのは新さんだからよ」
「そう云えば私がよろこぶとでも思うのか」
「いいえ、あやまるだけよ」