Japanische Klassiker mit Furigana
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かっこんとう
橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇 (かっこんとう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.213 Zeichen · 34 Bildschirme
とまるで象でも見物するような気持で頻りに大きな胸幅や逞しい腕に見惚れているのであった。医者は何と言ってると聞くから、熱もないし脈搏も普通だしどこも何ともないと言ってると答えたら、
「こんな頓馬な医者に何がわかる! 聖路加病院の医者を呼んで来い!」
と息巻いたが自分でも不思議だと思ったのであろう。手を握り締めてみたり、
「ちょっと俺の体温計を貸してみてくれ」
と私が取ってやった自分の体温計を口の中へ突っ込んでみたりした。
「外国の方だから、自分でやってみんと気が済まんと見えるね」
と医者は詰まらぬことを感心して、クックッと鶏みたいな笑い声を挙げたが、
「やはり、熱はないな。クックッ」
と面白そうに覗き込んだ。
やがて医者が引き揚げて行くと、今まで唸っていたこの危篤な病人めがケロリとして起き上がってきた。
「君さえ悪勧めしなければ、こんな莫迦な目には遭わなかったんだ! 呼ばなくてもいいヘッポコ医者なんぞ呼んで! 見てくれ、ワイシャツなんぞ滅茶滅茶だ! 俺は払わんから医者の金は君が払っといてくれ!」
とプリプリしながら、
「病人に水を持って来てくれ」
とコップを突き出した。