Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme
弟の俊三も、もうそのころは中学の二年だった。――彼は入学試験に次郎のようなしくじりがなかったため、年は二つちがいでも、学校は一年しかちがっていなかったのである。――頭もよく、学校の成績などは、兄弟のうち誰よりもすぐれていたが、末っ子の気持はまだぬけていず、次郎にすすめられても、白鳥会にもはいらなかったぐらいで、家の事情などには、まるで無頓着でいるらしかった。で、次郎が急に店で仂き出しても、「あんなこと面白いんかなあ」といったぐらいの感想をもらすだけだった。
次郎が店の手伝いをやろうと思い立った直接の動機は、むろん恭一の決意に対する同感だった。何だかじっとして居れないというのが、彼が恭一にあてた長い手紙を書いた時の気持だったのである。しかし、理由はただそれだけではなかった。彼には、店の事情をもっとはっきり知りたい、という考えがあった。また、自分が手伝ったために、店がいくらかでもよくなるのではないか、という希望もあった。そうした考えや希望の底に、彼の幼年時代からの好奇心と功名心が全くひそんでいなかったとはいえなかったかも知れない。しかし、彼としては、自分でめったに経験したことのないほど懸命な気持だったのである。