Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme
そう思うといやになる。――しかし、僕はこんなことを考えてはいけなかったのだ。朝倉先生は、「人間に例外はない、人の本心はみんな美しいのだ」とはっきり言われたのではなかったか。
八月二十三日
今日は珍しく父も外出しなかった。しかし、家の中にいなければならない用事もなかったらしく、一日中、おちつきはらって何か本を読んでいた。祖母にはその落ちつきが気に入らなかったらしい。口では何とも言わなかったが、父を見る眼はいつも光っていた。
母のほがらかな顔と無口とは、いつものことだが、今日はそのほがらかな顔がとくべつ祖母には目立ったらしい。祖母の母を見る眼は。父を見る眼よりも一層とがっていた。しかし、口に出しては、やはり何とも言わなかった。
家中のものが、こんな時に、一日中ほとんど口をききあわないというのは、いやなものだ。僕は母が無口であることを、今日ほど物足りなく思ったことはない。
僕は、その沈默を破りたいと思って、夕方俊三と二人で二階で歌を歌い出したが、すぐ祖母に「やかましい」と言って叱られた。
八月二十四日
昨夜は寝てから前途のことを考えてみたが、ちっとも考えがまとまらなかった。