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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme

Aozora Bunko

真実の愛よ、わが胸に甦れ。

家に居ると息苦しいので、午飯をすますとすぐ、俊三と二人で鮒釣りに行くことにした。中学校に入ってから、一度も釣をやらないので、道具からそろえねばならなかったが、針だけ買って、あとは何とか間に合わせた。どこがいいのか、場所の見当もつかなかったが、俊三が、天神裏の池が涼しいと言うので、すぐそこに行った。

餌をつけて針を沈め、うきを見つめているうちに、正木にいたころの記憶が楽しく甦って来た。間もなくうきが動き出したが、それを見て胸がわくわくした気持も、以前と少しも変っていなかった。釣りあげた鮒はかなり大きかった。

それから三十分ばかりの間に、僕は大小五尾ほど釣りあげたが、俊三には一尾もつれなかった。うきもほとんど動かなかったらしい。俊三はそれで何度も場所をかえたりしていたが。やはり駄目だったらしく、また戻って来て、釣竿を投げ出し、日蔭にねころんでしまった。

寝ころんだまま、俊三は、何と思ったか、だしぬけに言った。

「お祖母さんのいけないこと、僕にはよくわかったよ。」

僕は何と返事をしていいのかわからなくて、默っていた。すると、俊三は、