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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme

Aozora Bunko

」とも言った。

時計はとうとう一時を二十分ほどもまわってしまった。それに気づくと、老人は、

「さあ、もう今夜はこのくらいにして、おやすみ。寝床はめいめいでのべてな。……夜具はこの中に沢山はいっているから、すきなだけ重ねるがええ。」

と、うしろの押入の戸をあけて見せ、

「炉の中に夜具を落したり、足をつっこんだりしないように、気をつけてな。……便所はこちらじゃよ。」

と、障子をあけて縁側を案内してくれ、しまいに炉火に十分灰をかぶせて部屋を出て行った。

三人は、床についてからも、老人は何者だろう、とか、自分たちは藁小屋の中で夢を見ているんではないだろうか、とか、そんなことをくすくす笑いながら、かなり永いこと囁き合っていたが、次郎はその間に、ふと、正木のお祖父さんと大巻のお祖父さんのことを思い出し、三人の老人を心の中で比較していた。

翌朝眼をさますと、もう縁障子には日があかるくさしていた。起きあがってみて、彼らが驚いたことには、畳の上にも、ふとんの中にも、藁屑がさんざんに散らかっていた。彼らは、幸い縁側の突きあたりの壁に箒が一本かかっているのを見つけて、大急ぎでその始末をした。