Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むさしたびにっき

武蔵旅日記

山中 貞雄

Lesen Sie 武蔵旅日記 (むさしたびにっき) von 山中 貞雄 (やまなかさだお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.659 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

逃げたッ!」

と言って、

T「皆んな

探して呉れ!」

と口々に、

T「天狗様の

お怒りが

怖しいぞ!」

と叫んで、

八方に走り去る。

S=村の小川の水車の辺りで

六助とお絹のラヴシーン。

お絹が涙で眼を光らして、

T「隣り村へお嫁に

行くぐらいなら」

と言って、

T「いっそ天狗様に

喰われて

死んだ方が倖せです」

と言う。

六助が、

T「二人で

逃げよう」

と急き立てる。

いいえとお絹が、

T「天狗様の御祟りが

怖しうて……」

困ったなァと六助。

S=附近――

お絹を探して村人が五六人。

S=水車の処

人の足音に六助驚いて去る。

村人はお絹の姿を見て駈けて来る。

お絹はワッと泣き崩れる。(F・O)

S=庄屋の表

葛籠が人々の手によって山へ送られる。

庄屋や母親や親類縁者が、泣きの涙で供をする。(F・O)

S=山道――夜

葛籠を担いで村人が上って行く。

松明を翳して行く。(F・O)

T その夜

深更――

S=荒れ果てた辻堂

辺りは古い杉の木が茂った深山幽谷である。

見るからに物凄い処である。

例の葛籠が置かれてある。

葛籠の中のお絹。

と杉木立の真黒な処から、

ニューと天狗が現れた。