Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はぐるま

歯車

芥川 竜之介

Lesen Sie 歯車 (はぐるま) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.267 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

僕はテエブルの隅に坐り、ナイフやフォオクを動かし出した。正面の新郎や新婦をはじめ、白い凹字形のテエブルに就いた五十人あまりの人びとは勿論いずれも陽気だった。が、僕の心もちは明るい電燈の光の下にだんだん憂鬱になるばかりだった。僕はこの心もちを遁れる為に隣にいた客に話しかけた。彼は丁度獅子のように白い頬髯を伸ばした老人だった。のみならず僕も名を知っていた或名高い漢学者だった。従って又僕等の話はいつか古典の上へ落ちて行った。

「麒麟はつまり一角獣ですね。それから鳳凰もフェニックスと云う鳥の、……」

この名高い漢学者はこう云う僕の話にも興味を感じているらしかった。僕は機械的にしゃべっているうちにだんだん病的な破壊慾を感じ、堯舜を架空の人物にしたのは勿論、「春秋」の著者もずっと後の漢代の人だったことを話し出した。するとこの漢学者は露骨に不快な表情を示し、少しも僕の顔を見ずに殆ど虎の唸るように僕の話を截り離した。

「もし堯舜もいなかったとすれば、孔子はをつかれたことになる。聖人の※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)をつかれる筈はない」

僕は勿論黙ってしまった。