Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

れきしのおちぼ

歴史の落穂

宮本 百合子

Lesen Sie 歴史の落穂 (れきしのおちぼ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.780 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

傍にバスの停留場がある。ある日、私がその赤い円い標識のところにぼんやりたたずんでいたら、森さんの門があいて、一人の若い女のひとが出て来た。そして小走りに往来をつっきってはす向いの炭屋へゆき、用事がすんだと見えてすぐまた往来を森さんの門に戻って来て戸がしめられた。それは昔の写真の少女の面影をもっていた。美しい人で同時に寂しそうであった。それからまた別の日に、私は団子坂のところで流しの円タクをひろった。ドアをしめて、腰をおろし、車が動き出したと思ったら、左手の窓のすぐ横のところには一人の若い女のひとの顔が見えた。かすかな笑いの影が眼のなかにあって、静かにこっちを見ている。再び私はその顔を、ああと写真の少女の面影に重ねて思い、そちこちに向って流れる感情を覚えた。だがそれなりに走りすぎてしまった。

本年の夏は、例年東京の炎天をしのぎ易くする夕立がまるきりなかった。屋根も土も木も乾きあがって息づまるような熱気の中を、日夜軍歌の太鼓がなり響き、千人針の汗と涙とが流れ、苦しい夏であった。長谷川時雨さんの出しておられるリーフレットで、『輝ク』というものがある。毎月十七日に発行されているのであるが、八月十七日の分に、「銃後」