Japanische Klassiker mit Furigana
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ダンスマカブル
死の舞踏
野村 胡堂
Lesen Sie 死の舞踏 (ダンスマカブル) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.576 Zeichen · 21 Bildschirme
「ビーという音名を、独逸風にハアと読むと言った様に。――」
「何? ハアと読む、ではBELPではなくて、HELPではないか。HELP、ヘルプ、助け。――アッこれは大変だ、助けてくれという意味かも知れないよ、どれ一寸見せてくれ、次の頁にはもう赤い記号は無いか」
私は忙しく愛子の手から楽譜を取り上げました。
次の頁を開くと、そこには、三つだけ赤い鉛筆の印が付いて居ります。それを拾って読むと、エスプレシイヴォのS。
ポコのO。
スケルツォのS。
「SOS、そんな字はあるかい、愛子さん、字引を持って来てくれ」
「アラ、それは難破船の救助符号じゃありませんか」
「あツ、そうだ」
私は思わず椅子から飛上りました。
「東京へ行くんだ、直ぐ。何んか大変な事があったに相違ない、自分で手紙を書けないので、こんな暗号を工夫して送ったんだ、――あの亭主の佐良井は、オタマジャクシを読めないから、何んにも知らずに、唯の楽譜だと思って送ったんだろう」
「どうしましょう」
「直ぐ東京へ行くんだ。一時間も、一分間も早く、幽香子は無事で居てくれればいいが。――」
足下から鳥が立つとはこの事でしょう。