Japanische Klassiker mit Furigana
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しまでをかたる
死までを語る
直木 三十五
Lesen Sie 死までを語る (しまでをかたる) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.739 Zeichen · 85 Bildschirme
私は、見るべからざる物を見たような感じで逃げ出そうと思ったが、小さい家で、格子も、障子も開けて見てしまったのだから、何うする訳にも行かない。二人は、一寸赤くなって
「やあ」
と、友人は云いつつ、少し離れるし、それをしおに、女房が立上ったが――ただそれっきりの事で、何ういうものか、私には嫉妬とか、不快とかの念が少しも湧かなかった。二人とも信用しているし、友人の云う事には、決して反対しない私の性として、そのまま二十年近くをそれは問題にしていなかった。所が、この間、ある話の序に、ふっと、この事を思出して
「何うかねえ」
と、久米正雄君に云った。湯河原の温泉に於てである。
「ふむ」
久米君は、微笑して
「里見君は、あると云っていたが」
「何うも、そうらしいようでもあるが」
話は、これだけであるが、これに連関して、それから、二十年の後に、大事件が起るのである。
この事は、秘しておいた方がいいかも知れぬが、何うも秘密をもつのが嫌いなので、書いておく。
三十六
四十円という金と、二ヶ月という時日とはすぐ消えてしまった。父の送金は、とっくにないし、女房の臨月は近づくし、青野と二人で