Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しいんのぎもん

死因の疑問

豊島 与志雄

Lesen Sie 死因の疑問 (しいんのぎもん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.260 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「でも、つんぼで、おしなのよ。」

「結構じゃないの。なまじっか、耳が聞えたり口が利けたりするよりか、その方が幸福だわ。」

「まあ、へんてこな幸福。」

「あたし、ほんとは、この耳や口をつぶしてしまいたいと思うことがあるの。」

「変り者ね。」

「あんたこそ変り者よ。」

議論してるのかと思うと、そこで、二人とも笑いだしてしまいました。

つまらないことは飛ばしまして、わたくしに深い印象が残ってることが一つあります。夕方、庭になにか用があって出ていました時、ふと見上げると、二階の縁側に清さんが佇んでいました。雨戸を閉めに行ったのでしょうか、半分ばかり閉めて、その端に寄り添うような風で、そして胸に両手をあて、じっと立っているのです。もう陽は沈んでいましたが、その残照を受けてる赤い雲が、千切れ千切れに、ゆるやかに西空に流れていました。その雲を眺めながら、清さんはじっと佇んでいます。

その時清さんは、和服を着ていました。宅へ来ました時から、洋服しか持っていませんでしたので、年の暮に、わたくしは、実家の末の妹の、もう派手すぎるという和服のお古を一揃い、貰って来まして、清さんに与えたのでした。