Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
じゅんし
殉死
山本 周五郎
Lesen Sie 殉死 (じゅんし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.737 Zeichen · 21 Bildschirme
「…………」それを押し返して拒むべき言葉は庄兵衛にはなかった。けれどもまたよろしいと云える立場でもないのである、かれはやはり自然のなりゆきに任せるほかはないときめた。
小松のことはなかなか世間には知れなかったが、庄兵衛の評判は伝説的に尾鰭がついてひろまった、そして当然の比較として八島主馬がその対照にされはじめた。――いったい八島主馬はどうしたんだ、その後とんと沙汰がないではないか、――負けぬ気のつよい男だからいまに庄兵衛とはちがったなにか思切ったことをするぞ。――福尾に先を越されてみればへたなまねはできぬからな。ことがらの厳粛さはしだいに薄れて、人々の眼はいつかしら卑しい興味を追うようにさえなってきた。けれども主馬はどうするようすもなかった。因幡守の逝去で役どころをなくしたかれは、日々おのれの屋敷のなかで弓をひいて暮した、馬を駆って西城川をさかのぼり夜になって帰ることなどもあった、定日にはちゃんと登城をした。――なんだ、まだ碌々としているのか。そういいたげな家中の者の眼にも、かれはすこしもめげる風がなかった。それがあまり平然としているので、ついには口にだして諷諫する者さえあったが、主馬の態度はいささかも変らなかったのである。