Japanische Klassiker mit Furigana
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のこされたるえど
残されたる江戸
柴田 流星
Lesen Sie 残されたる江戸 (のこされたるえど) von 柴田 流星 (しばたりゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.677 Zeichen · 80 Bildschirme
読者よ、乞う、この子供らしき誇りと他愛なさとを買いたまわずや。江戸ッ児の身上は常にかかる間に存する万々で、この情味さえ解したまわば、その馬鹿らしと見ゆる行動、くだらないと聞く言語、いずれも溌剌たる生気を帯びきたって、かれらに別個の天地あることも御承知が出来ようと思う。
さてこの筍めしに就いては、曾つて西欧人を吃驚せしめた例もある。かれらは邦人がこの筍を料理して喰うを見、「日本人は竹を喰う」とて内々舌を捲いたとやら、江戸ッ児には又この西人を驚かしたというそれが、いとも愉快に胸すくことで、実は内々嬉しくてたまらぬのである。
要するに筍の料理、これ一色でも会席は出来ることで、何も目黒くんだりまでゆかずともではあるが、ここの土に育ったが最良とせらるるその本場へ、態々歩を運ぶという気分、人はこの気分に生きたいものだ。
藤と躑躅と牡丹
梅に始まって桃、桜と花の眺め多きが中に、藤と躑躅と牡丹とは春の殿をなし、江戸ッ児にはなお遊ぶべき時と処とに乏しくない。
藤は遠く粕壁に赴けば花も木ぶりもよいが、近くは日比谷、芝、浅草の公園など数も少からず、しかし何処よりも先ず亀戸天神のを最とする。