Japanische Klassiker mit Furigana
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のこされたるえど
残されたる江戸
柴田 流星
Lesen Sie 残されたる江戸 (のこされたるえど) von 柴田 流星 (しばたりゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.677 Zeichen · 80 Bildschirme
元来が裸一貫の力ずくでやる勝負の見物に、屋根も天井もいったものかは、青空を頭に戴いて小屋も土俵も場所場所に新しくものしてこそ、六根清浄、先祖の宿禰にも背かぬというもの、こうなっては行く行く相撲は江戸ッ児の見るものでなくなるかも知れないと、そんじょそこらの勇み肌が中ッ腹でいるそうな。
実際情ないは小屋ばかりでなく、協会と取的とのゴタゴタ、賦金がどうの、親方がこうのと、宵越しの銭を持たねえ江戸ッ児が見るものにそんな吝れたものは大嫌い、よして貰いてえものだ。
それからなお一つ、近頃の相撲好きは贔負からの入れ力ではなく、可哀相にかれらの勝負を賭けごとの道具にしておる、まさかに江戸ッ児はそんなこともしめえが、するやつがあったら己が聴かねえと、倶利迦羅紋紋の兄哥が力んでいた。
花菖蒲
菖蒲は堀切と蒲田にその名を恣にし、花に往き来した向島の堤をまたぞろ歩むもおかしき心地がする。
堀切も吉野園、小高園など、今も花の種類はかなりにあるが、花より団子の喰う物なければ治まらぬ都人士の、なけなしの懐を気にしながらも、次第に種々な贅をいうので、粗末なものを値ばかり高めて売りつけ、客を馬鹿にした振舞尠からず、したがって江戸ッ児は少々二の足を踏むようになり、つまらねえやと鼻もひっかけなくなった連中すらある。