Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
さつじんめいろ
殺人迷路
夢野 久作
Lesen Sie 殺人迷路 (さつじんめいろ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.931 Zeichen · 12 Bildschirme
其処で其の中小僧にドンナ事を尋ねたかすら記憶しないまま又もフラフラと店を出た。
「イイエ。その方は御自分で新聞記者とは仰有った様でしたが……主人がお相手を致して居りましたので、よくわかりませんでしたが、別にお言伝も何もありませんでしたよ。御座いましたら主人が出がけに申残して行く筈ですが。ハイ。お客様のお買物について何か二言三言お尋ねになりましたきりで、その椅子に腰を卸して煙草を召あがりながら、表の通りをボンヤリと眺めてお出でになる様でしたが、そのままユックリユックリ出てお出でになったんですが……」
と云う雄弁な中小僧の言葉を片耳に残しながら……。
……村井は吾々を撒く為に此店へ立寄ったのだ。新聞記者である彼が……あんなにまで熱心な態度を見せていた彼が、事件を見かけてコンナに緩り緩りした行動を執る筈はない。そんな傍道の仕事よりも、カンジンの犯人の追跡の方が、はるかにお得意の彼ではなかったか……
津村はソンナようなモヤモヤした疑いの雲を、今までの疑いの上にモウ一つ包みかけながら何時の間にか往来を歩き出していた。老人の様に背中を曲げて、眼の前の空間を凝視して、彼の頭の中のように夕霧の立籠めた中からポカリポカリと光り出して来る自動車の燈火やネオンサインに魘え魘えよろめいて行くうちに、余程長いこと歩いたのであろう。